放射線取扱主任者試験対策室

放射線取扱主任者試験の勉強部屋

用語の定義

重要度:★★★

法令の試験で出題される用語の定義をまとめます.

赤字箇所(過去に出題あり)について,きちんと押さえてください.


放射線

電磁波又は粒子線のうち,直接又は間接に空気を電離する能力を持つもので,
α線,重陽子線,陽子線その他の重荷電粒子線及びβ

中性子

γ線及び特性X線(軌道電子捕獲に伴って発生する特性X線に限る.)

④ 1 MeV以上のエネルギーを有する電子線及びX線

放射性同位元素,放射性同位元素装備機器,放射線発生装置等

放射性同位元素

放射線を放出する同位元素及びその化合物並びにこれらの含有物機器に装備されているこれらのものを含む.)で,政令で定めるもの(=放射線を放出する同位元素の数量及び濃度がその種類ごとに委員会が定める数量及び濃度を超えるもの).

○除外されるもの

人の疾病の治療に使用することを目的として,人体内に挿入されたもの(人体内から再び取り出す意図を持たずに挿入されたものであって,ヨウ素125又は金198を装備しているものに限る.).

特定放射性同位元素

放射性同位元素であって,その放射線が発散された場合において人の健康に重大な影響を及ぼすおそれがあるものとして政令で定めるもの.

放射性同位元素装備機器

硫黄計その他の放射性同位元素を装備している機器.

放射線発生装置

荷電粒子を加速することにより放射線を発生させる装置で,政令で定めるもの(=以下の10種類).

サイクロトロン

② シンクロトロン

③ シンクロサイクロトロン

④ 直線加速装置

⑤ ベータトロン

⑥ ファン・デ・グラーフ型加速装置

⑦ コッククロフト・ワルトン型加速装置

⑧ 変圧器型加速装置

⑨ マイクロトロン

⑩ プラズマ発生装置(重水素トリチウムとの核反応における臨界プラズマ条件を達成する能力を持つ装置であって,専ら重水素重水素との核反応を行うものに限る.)

ただし,その表面から10 cm離れた位置における最大線量当量率が1 cm線量当量率について600 nSv/h以下であるものを除く.

放射化物

放射線発生装置から発生した放射線により生じた放射線を放出する同位元素によって汚染された物

放射性汚染物

放射性同位元素又は放射線発生装置から発生した放射線により生じた放射線を放出する同位元素によって汚染された物(=放射性同位元素によって汚染された物又は放射化物)

放射性同位元素等

放射性同位元素又は放射性汚染物

埋設廃棄物

放射性同位元素等であって,埋設の方法により最終的な処分を行おうとするもの

管理区域,放射線施設等

管理区域

① 外部放射線に係る実効線量が3月間につき1.3 mSvを超える

② 空気中の放射性同位元素の3月間についての平均濃度が空気中濃度限度の10分の1を超える

③ 放射性同位元素によって汚染される物の表面の放射性同位元素の密度が表面密度限度の10分の1を超える

おそれのある場所

放射線施設

使用施設,廃棄物詰替施設,貯蔵施設,廃棄物貯蔵施設,廃棄施設

作業室

密封されていない放射性同位元素の使用若しくは詰替え,又は放射性汚染物で密封されていないものの詰替えをする室

廃棄作業室

放射性同位元素等を焼却した後その残渣を焼却炉から搬出する作業,又はコンクリートその他の固型化材料により固型化する作業を行う室

汚染検査室

人体又は作業衣,履物,保護具等人体に着用している物の表面の放射性同位元素による汚染の検査を行う室

排気設備

排気浄化装置,排風機,排気管,排気口等気体状の放射性同位元素等を浄化,又は排気する設備

排水設備

排液処理装置,排水浄化装置,排水管,排水口等液体状の放射性同位元素等を浄化,又は排水する設備

固型化処理設備

粉砕装置,圧縮装置,混合装置,詰込装置等放射性同位元素等をコンクリートその他の固型化材料により固型化する設備

取扱等業務,放射線業務従事者

取扱等業務

放射性同位元素等又は放射線発生装置の取扱い,管理又はこれに付随する業務

放射線業務従事者

取扱等業務に従事する者であって,管理区域に立ち入るもの

実効線量限度,等価線量限度,表面密度限度,空気中濃度限度等

実効線量限度

実効線量について定められた,一定期間における線量限度のことで,表1のように定められている.

等価線量限度

各組織の等価線量について定められた,一定期間内における線量限度のことで,表1のように定められている.

 

表1. 線量限度
区分 実効線量限度(全身) 等価線量限度(組織・臓器)
業務従事者
平常時

100 mSv/5年

50 mSv/年

女子 5 mSv/3月

妊娠中の女子 1 mSv

(出産までの間の内部被ばく)

眼の水晶体 100 mSv/5年

及び50 mSv/年

皮膚 500 mSv/年

妊娠中の女子の腹部表面 2 mSv

(出産までの間)

緊急時 100 mSv 眼の水晶体 300 mSv

皮膚 1 Sv

一般公衆
平常時 1 mSv/年 眼の水晶体 15 mSv/年

皮膚 50 mSv/年

表面密度限度

放射線施設内の人が常時立ち入る場所において人が触れる物の表面のRIの密度についての限度のことで,次のように定められている.

A α線を放出するRI:4 Bq/cm2

B α線を放出しないRI:40 Bq/cm2

空気中濃度限度

放射線施設内の人が常時立ち入る場所において人が呼吸する空気中のRIの濃度についての限度のことで,1週間の平均濃度について定められている.

排気又は排水に係る放射性同位元素の濃度限度

排気中若しくは空気中又は排液中若しくは排水中のRIの濃度限度のことで,3月間の平均濃度について定められている.

線量の計算,濃度との複合等

診療上の被ばくの除外等

線量,実効線量,等価線量を算定する場合には,

1 MeV未満のエネルギーを有する電子線及びX線による被ばく含める

診療を受けるための被ばく,及び,自然放射線による被ばく除く

空気中又は水中のRIの濃度を算定する場合には,

空気中又は水中に自然に含まれているRIを除いて算出する.


【用語の定義に関する過去問題】

2005年度法令問2,6

2007年度法令問25

2009年度法令問3

2010年度法令問2,21

2011年度法令問2

2013年度法令問2,13,19,22

2014年度法令問29,30

2015年度法令問1,2,19

2017年度法令問1,2,16,30

2018年度法令問30

2019年度法令問1,2,30

2020年度法令問17,30

2021年度法令問2,15,30

2022年度法令問1,13