放射線取扱主任者試験対策室

放射線取扱主任者試験の勉強部屋

化学計算の基本(物質量,原子数,気体の体積)

重要度:★★★

化学では,原子数や気体の体積など,基本的な量を求める計算問題も多く出題されます.

そしてこれらを計算するには,物質量(単位:mol)について理解する必要があります.


物質量(モル数)

化学において,アボガドロ数(6.02 × 1023)個の粒子(原子、分子など)の集団を1molと表し,このmol(モル)を単位として表した物質の量のことを物質量(モル数)といいます.

物質1molあたりの質量のことをモル質量(単位:g/mol)といい,その物質の原子量(または分子量、式量)にgをつけたものと等しくなります.(例:炭酸ガス CO2(分子量:12 + 16 × 2 = 44)1molは44g)

以上のことから,原子量(または分子量、式量)Mの物質がw[g]あったとき,その物質量n[mol]は,

 \displaystyle \begin{eqnarray} \require{color} {n = \frac{w}{M}} \end{eqnarray}
(1)

と表せます.

原子数

物質1molの原子数(分子数)は6.02 × 1023個であるため,物質全体の原子数(分子数)Nは,物質量n[mol]にアボガドロ定数\displaystyle \require{color} {N_{\rm{A}}}(= 6.02 × 1023 /mol)を掛けることで計算でき,

 \displaystyle \begin{eqnarray} \require{color} {N = n{N_{\rm{A}}} = \frac{w}{M}{N_{\rm{A}}}} \end{eqnarray}
(2)

と表せます.

試験では,放射能を求める公式を利用して原子数を求める問題も出題されます.

気体の体積

アボガドロの法則(「全ての気体は,同一温度,同一圧力の下で,同一体積に同じ数の分子が含まれる」という法則)より,どんな気体でも1molの体積は,標準状態(0℃,1気圧)のとき,22.4Lになります.(標準状態(0℃,1気圧)において,22.4L/mol

試験では,標準状態で発生する放射性気体の体積を求める問題が多く出題されます.

原子の構造

重要度:★★☆

原子の構造(陽子,中性子,電子,原子の大きさなど)や同位体,同中性子体,同重体,核子基底状態励起状態などの用語の定義について押さえてください.


原子構造の概要

原子の構造は,質量のほとんどを占める正の電荷を持つ原子核nucleus)を中心に,その周りを負の電荷を持つ電子が回っているという模型で表されます(図1).

原子核は陽子と中性子からなり,原子核内の陽子数を原子番号(atomic number)としています.独立した原子は電気的に中性で,陽子数に等しい電子が原子核の周りに存在します.陽子及び中性子核子(nucleon)といい,陽子数と中性子数の和を質量数(mass number)といいます.

原子核の大きさは約10-15~10-14 mで,原子の大きさ(=原子核の周りの電子の広がり)は約10-10 mです.

図1. 原子の構造

核種

陽子数と中性子数で決まる原子核の種類を核種(nuclide)といいます.
核種同士の関係を表す用語の定義を表1に示します.
表1. 核種同士の関係を表す用語
核種の関係 定義
(isotope)
陽子数が等しく中性子数が異なる
(電子数が等しいため化学的性質は同じ)
12Cと14C,134Csと137Cs
中性子
(isotone)
中性子数が等しく陽子数が異なる
15Nと16O
同重体
(isobar)
陽子数,中性子数が異なり,質量数(質量)が等しい
14Cと14N,239Uと239Npと239Pu
鏡映核
(mirror nuclei)
同重体の内,陽子数と中性子数とが
互いに逆になっている1対の原子核
7Liと7Be,13Cと13N
(nuclear isomer)
陽子数,中性子数,質量数が等しく,
原子核がエネルギー準位の高い励起状態になっているもの
99mTc,137mBa

【原子の構造に関する暗記項目】

原子番号50以上の安定な原子核では陽子数が中性子数より少ない.


【原子の構造に関する過去問題】

2005年度物理問5,6

2007年度物理問4

2009年度物理問5

2015年度物理問5

2017年度物理問4

2018年度化学問16

2019年度物理問3

2022年度物理問5

用語の定義

重要度:★★★

法令の試験で出題される用語の定義をまとめます.

赤字箇所(過去に出題あり)について,きちんと押さえてください.


放射線

電磁波又は粒子線のうち,直接又は間接に空気を電離する能力を持つもので,
α線,重陽子線,陽子線その他の重荷電粒子線及びβ

中性子

γ線及び特性X線(軌道電子捕獲に伴って発生する特性X線に限る.)

④ 1 MeV以上のエネルギーを有する電子線及びX線

放射性同位元素,放射性同位元素装備機器,放射線発生装置等

放射性同位元素

放射線を放出する同位元素及びその化合物並びにこれらの含有物機器に装備されているこれらのものを含む.)で,政令で定めるもの(=放射線を放出する同位元素の数量及び濃度がその種類ごとに委員会が定める数量及び濃度を超えるもの).

○除外されるもの

人の疾病の治療に使用することを目的として,人体内に挿入されたもの(人体内から再び取り出す意図を持たずに挿入されたものであって,ヨウ素125又は金198を装備しているものに限る.).

特定放射性同位元素

放射性同位元素であって,その放射線が発散された場合において人の健康に重大な影響を及ぼすおそれがあるものとして政令で定めるもの.

放射性同位元素装備機器

硫黄計その他の放射性同位元素を装備している機器.

放射線発生装置

荷電粒子を加速することにより放射線を発生させる装置で,政令で定めるもの(=以下の10種類).

サイクロトロン

② シンクロトロン

③ シンクロサイクロトロン

④ 直線加速装置

⑤ ベータトロン

⑥ ファン・デ・グラーフ型加速装置

⑦ コッククロフト・ワルトン型加速装置

⑧ 変圧器型加速装置

⑨ マイクロトロン

⑩ プラズマ発生装置(重水素トリチウムとの核反応における臨界プラズマ条件を達成する能力を持つ装置であって,専ら重水素重水素との核反応を行うものに限る.)

ただし,その表面から10 cm離れた位置における最大線量当量率が1 cm線量当量率について600 nSv/h以下であるものを除く.

放射化物

放射線発生装置から発生した放射線により生じた放射線を放出する同位元素によって汚染された物

放射性汚染物

放射性同位元素又は放射線発生装置から発生した放射線により生じた放射線を放出する同位元素によって汚染された物(=放射性同位元素によって汚染された物又は放射化物)

放射性同位元素等

放射性同位元素又は放射性汚染物

埋設廃棄物

放射性同位元素等であって,埋設の方法により最終的な処分を行おうとするもの

管理区域,放射線施設等

管理区域

① 外部放射線に係る実効線量が3月間につき1.3 mSvを超える

② 空気中の放射性同位元素の3月間についての平均濃度が空気中濃度限度の10分の1を超える

③ 放射性同位元素によって汚染される物の表面の放射性同位元素の密度が表面密度限度の10分の1を超える

おそれのある場所

放射線施設

使用施設,廃棄物詰替施設,貯蔵施設,廃棄物貯蔵施設,廃棄施設

作業室

密封されていない放射性同位元素の使用若しくは詰替え,又は放射性汚染物で密封されていないものの詰替えをする室

廃棄作業室

放射性同位元素等を焼却した後その残渣を焼却炉から搬出する作業,又はコンクリートその他の固型化材料により固型化する作業を行う室

汚染検査室

人体又は作業衣,履物,保護具等人体に着用している物の表面の放射性同位元素による汚染の検査を行う室

排気設備

排気浄化装置,排風機,排気管,排気口等気体状の放射性同位元素等を浄化,又は排気する設備

排水設備

排液処理装置,排水浄化装置,排水管,排水口等液体状の放射性同位元素等を浄化,又は排水する設備

固型化処理設備

粉砕装置,圧縮装置,混合装置,詰込装置等放射性同位元素等をコンクリートその他の固型化材料により固型化する設備

取扱等業務,放射線業務従事者

取扱等業務

放射性同位元素等又は放射線発生装置の取扱い,管理又はこれに付随する業務

放射線業務従事者

取扱等業務に従事する者であって,管理区域に立ち入るもの

実効線量限度,等価線量限度,表面密度限度,空気中濃度限度等

実効線量限度

実効線量について定められた,一定期間における線量限度のことで,表1のように定められている.

等価線量限度

各組織の等価線量について定められた,一定期間内における線量限度のことで,表1のように定められている.

 

表1. 線量限度
区分 実効線量限度(全身) 等価線量限度(組織・臓器)
業務従事者
平常時

100 mSv/5年

50 mSv/年

女子 5 mSv/3月

妊娠中の女子 1 mSv

(出産までの間の内部被ばく)

眼の水晶体 100 mSv/5年

及び50 mSv/年

皮膚 500 mSv/年

妊娠中の女子の腹部表面 2 mSv

(出産までの間)

緊急時 100 mSv 眼の水晶体 300 mSv

皮膚 1 Sv

一般公衆
平常時 1 mSv/年 眼の水晶体 15 mSv/年

皮膚 50 mSv/年

表面密度限度

放射線施設内の人が常時立ち入る場所において人が触れる物の表面のRIの密度についての限度のことで,次のように定められている.

A α線を放出するRI:4 Bq/cm2

B α線を放出しないRI:40 Bq/cm2

空気中濃度限度

放射線施設内の人が常時立ち入る場所において人が呼吸する空気中のRIの濃度についての限度のことで,1週間の平均濃度について定められている.

排気又は排水に係る放射性同位元素の濃度限度

排気中若しくは空気中又は排液中若しくは排水中のRIの濃度限度のことで,3月間の平均濃度について定められている.

線量の計算,濃度との複合等

診療上の被ばくの除外等

線量,実効線量,等価線量を算定する場合には,

1 MeV未満のエネルギーを有する電子線及びX線による被ばく含める

診療を受けるための被ばく,及び,自然放射線による被ばく除く

空気中又は水中のRIの濃度を算定する場合には,

空気中又は水中に自然に含まれているRIを除いて算出する.


【用語の定義に関する過去問題】

2005年度法令問2,6

2007年度法令問25

2009年度法令問3

2010年度法令問2,21

2011年度法令問2

2013年度法令問2,13,19,22

2014年度法令問29,30

2015年度法令問1,2,19

2017年度法令問1,2,16,30

2018年度法令問30

2019年度法令問1,2,30

2020年度法令問17,30

2021年度法令問2,15,30

2022年度法令問1,13

気体の検出器

重要度:★★☆

気体の検出器には,電離箱,比例計数管,GM計数管があります.

これらは,検出器に印加する電圧の違いにより,出力されるパルスの大きさが異なりますが,検出に気体の電離を利用する点で共通しているため,動作原理はまとめて覚えましょう.

印加電圧の上昇とともに,どのような順番で領域が現れるか,また,それぞれの領域における出力パルス波高が,放射線のエネルギーに比例するかどうかについて,原理と合わせて覚えてください.


ガス入り検出器の動作原理

ガス入り検出器の電極に印加する電圧と吸収されるイオン数(パルスの高さ)の関係を図1に示します.

図1. ガス入り検出器の印加電圧と吸収されるイオン数の関係

(1)再結合領域

印加電圧が低い場合,イオンが電極まで移動するのに時間がかかるため,気体の電離で生じた電子-イオン対が再結合してしまいます.この領域では,電極に移動する間に再結合によって失われる電子-イオン対があるため,出力パルスは電離された量よりも小さくなり,検出器としては使えません.

(2)電離箱領域

印加電圧を徐々に上げていくと,電極に引き寄せられるイオンのスピードが速くなるため,再結合が起きにくくなり,電離された量に応じた出力が得られるようになります.この領域では,最初に生じた電子-イオン対がもれなく回収されるため,出力パルスの大きさは電圧に対して一定となります.

(3)比例計数管領域(比例領域)

電離箱領域から印加電圧をさらに上げていくと,最初の電離で生じた電子が芯線に到達するまでに電場によって加速され,それ自身が次の電離を引き起こす(=電子なだれ)ようになるため,出力パルスが上昇し始めます.この領域では,印加電圧を固定しておけば,その電圧における増幅率は一定となるため,出力パルスの大きさは最初の電離で生じた電子-イオン対の数に比例します.

(4)限定比例領域(制限比例領域)

比例計数管領域から印加電圧をさらに上げていくと,ガス増幅で得られる陽イオンが多くなり,電界分布に大きな影響を与え始めます.この領域では,放射線のエネルギーと出力パルス波高は比例しなくなります.

(5)GM計数管領域(GM領域)

限定比例領域から印加電圧をさらに上げていくと,ガス増幅がさらに大きくなり,電子なだれが繰り返された結果,出力パルスが最初に生じた電子-イオン対の数に比例しなくなります.この領域では,放射線のエネルギーに関係なく,一定の大きさの出力が得られることになります.

(6)連続放電領域(放電領域)

GM計数管領域から印加電圧をさらに上げていくと,荷電粒子の入射量とは関係なくコロナ放電を起こし,放電状態が連続して起こるようになります.この領域は,測定には使用できません.


【気体の検出器に関する過去問題】

2018年度物理問27

2019年度物理問28

確率的影響と確定的影響

重要度:★★☆

放射線影響の分類方法には,①影響の発生と被ばく線量(しきい線量の有無)に着目したもの(確率的影響と確定的影響),②影響の出現する個体に着目したもの(身体的影響と遺伝的影響),③影響の発症する時期に着目したもの(急性影響と晩発影響)があります(図1).

図1. 放射線影響の分類

①確率的影響と確定的影響については,線量と発生頻度,線量と重篤度を表す図(図2)を描けるようにしてください.

また,主な確定的影響のしきい線量の値を覚えてください.


放射線影響は,しきい線量の有無により,①確率的影響と②確定的影響の2つに分類することができます.

しきい線量(しきい値

被ばく集団(その線量を被ばくした集団)の1%(100人に1人)に影響が生じる線量.(=影響が生じる最低の線量.)

それぞれにおける,線量と発生頻度,線量と重篤度の関係は,図2のようになります.

図2. 確率的影響と確定的影響の分類と特徴

確率的影響

しきい線量が存在せず,線量の増加に伴って発生頻度(発生率)が増加する形の影響.

重篤度(悪性度)は線量に依存しない.

確率的影響の例:がん,白血病,遺伝的影響(全て晩発影響)

 

確定的影響(組織反応)

しきい線量が存在し,線量の増加に伴って重篤度(悪性度)が増加する形の影響.

しきい線量は,組織や着目する影響によって異なる.

確定的影響の例:(急性影響)不妊,脱毛,皮膚紅斑,放射線肺炎など

(晩発影響)白内障,再生不良貧血,骨折(骨壊死),肺線維症,放射線脊髄症,穿孔など

 

主な確定的影響のしきい線量の値を表1に示します.

表1. 主な確定的影響のしきい線量
影響 しきい線量 影響 しきい線量
白血球(リンパ球)減少
0.25 Gy
皮膚障害
水晶体の混濁・白内障
0.5 Gy
脱毛
3 Gy
放射線宿酔
1 Gy
紅斑
3~6 Gy
放射線肺炎
6~8 Gy
潰瘍
10 Gy
一時的不妊
胎内被ばく
(男性)
0.15 Gy
胎児奇形
0.1 Gy
(女性)
0.65~1.5 Gy
0.2~0.4 Gy
永久不妊
発育遅延
0.5~1.0 Gy
(男性)
3.5~6 Gy
個体死(急性致死)
(女性)
2.5~6 Gy
骨髄死
3 Gy
   
消化管死
10 Gy

ランタノイド,アクチノイド

重要度:★☆☆

ランタノイド原子番号57~71)とアクチノイド原子番号89~103)の特徴について出題されます.

暗記項目をきちんと押さえてください.


ランタノイド

La Ce Pr Nd Pm Sm Eu Gd Tb Dy Ho Er Tm Yb Lu

ランタノイドは,原子番号57のランタン(La)から71のルテチウム(Lu)までの15の元素の総称です.

 

ランタノイドに関する暗記項目】

ランタノイド元素の中で,原子番号61のPmは放射性同位体のみで安定同位体が存在しない.

ランタノイド元素では,原子番号が増すと,原子半径,イオン半径が小さくなる(=ランタノイド収縮).

ランタノイド元素はすべて遷移元素である.

アクチノイド

Ac Th Pa U Np Pu Am Cm Bk Cf Es Fm Md No Lr

アクチノイドは,原子番号89のアクチニウム(Ac)から103のローレンシウム(Lr)までの15の元素の総称です.

 

アクチノイドに関する暗記項目】

アクチノイド元素はすべて放射性核種である.

アクチノイド元素には,UやThなど天然に存在するものもある.

・Amより重いアクチノイド元素は,3価をとる場合がほとんどであるが,Amより軽い元素は,3価と異なる原子価をとる.


ランタノイドアクチノイドに関する過去問題】

2007年度化学問4

2011年度化学問12

基礎物理定数,単位,用語

重要度:★★★

基礎物理定数は計算問題を解く際に使用しますが,問題によっては与えられていない場合もあるため,覚える必要があります.繰り返し問題を解き,それぞれ有効数字2桁程度までは覚えてください.

単位については,SI単位系に換算できるようにしてください.計算問題は単位を付けて計算することで,間違いを減らすことができます.

用語については,それぞれどのような物理量を表すのか,適用される物質や放射線の違いも踏まえ,きちんと押さえてください.


基礎物理定数

基礎的な物理定数を表1に示します.
表1. 基礎的な物理定数
物理量 記号・数値・単位
真空中の光の速さ

\displaystyle {c = 2.99792458\times10^{8}\ \rm{m\cdot s^{-1}}}

\displaystyle \require{color} \textcolor{red}{c = 3.0\times10^{8}\ \rm{m\cdot s^{-1}}}

電気素量

\displaystyle {e = 1.602176634\times10^{-19}\ \rm{C}}

\displaystyle \require{color} \textcolor{red}{e = 1.6\times10^{-19}\ \rm{C}}

\displaystyle {h = 6.62607015\times10^{-34}\ \rm{J\cdot s}}

\displaystyle \require{color} \textcolor{red}{h = 6.6\times10^{-34}\ \rm{J\cdot s}}

\displaystyle {N_{\rm{A}} = 6.02214076\times10^{23}\ \rm{mol^{-1}}}

\displaystyle \require{color} \textcolor{red}{N_{\rm{A}} = 6.0\times10^{23}\ \rm{mol^{-1}}}

\displaystyle {k_{\rm{B}} = 1.380649\times10^{-23}\ \rm{J\cdot K^{-1}}}

単位,用語

放射線に関係する単位と用語の定義を表2に示します.
表2. 放射線に関係する単位
名称 単位 SI基本単位による表し方 定義など
エネルギー・仕事・熱量
\displaystyle {\rm{J}}(ジュール)\displaystyle {\rm{=N\cdot m}}
\displaystyle {\rm{m^{2}\cdot kg\cdot s^{-2}}}
 
仕事率・工率・放射束
\displaystyle {\rm{W}}(ワット)\displaystyle {\rm{=J\cdot s^{-1}}}
\displaystyle {\rm{m^{2}\cdot kg\cdot s^{-3}}}
 
電荷・電気量
\displaystyle {\rm{C}}(クーロン)
\displaystyle {\rm{s\cdot A}}
 
電位差(電圧)・起電力
\displaystyle {\rm{V}}(ボルト)\displaystyle {\rm{=W\cdot A^{-1}}}
\displaystyle {\rm{m^{2}\cdot kg\cdot s^{-3}\cdot A^{-1}}}
 
電気容量
\displaystyle {\rm{F}}(ファラド)\displaystyle {\rm{=C\cdot V^{-1}}}
\displaystyle {\rm{m^{-2}\cdot kg^{-1}\cdot s^{4}\cdot A^{2}}}
 
磁束
\displaystyle {\rm{m^{2}\cdot kg\cdot s^{-2}\cdot A^{-1}}}
 
磁束密度
\displaystyle {\rm{T}}(テスラ)\displaystyle {\rm{=Wb\cdot m^{-2}}}
\displaystyle {\rm{kg\cdot s^{-2}\cdot A^{-1}}}
 
\displaystyle {\rm{Bq}}(ベクレル)
\displaystyle {\rm{s^{-1}}}

単位時間当たりの壊変数.

226Ra \displaystyle {1\ \rm{g}}放射能は,\displaystyle {1\ \rm{Ci} = 3.7\times10^{10}\ \rm{Bq}}.(覚え方:ミナテンテン

吸収線量
カーマ
\displaystyle {\rm{Gy}}(グレイ)\displaystyle {\rm{=J\cdot kg^{-1}}}
\displaystyle {\rm{m^{2}\cdot s^{-2}}}

【吸収線量】

任意の物質任意の電離放射線に照射されたときの,単位質量当たりに吸収されるエネルギー.

【カーマ】

任意の物質電荷を持たない間接電離放射線X線,γ線,中性子線)が入射して反応した際に発生する,
単位質量当たりに放出された二次荷電粒子の初期運動エネルギーの総和.

制動放射線で逃げたエネルギーも含める.

カーマのうち,衝突損失により失われたエネルギーの総和
(=カーマから制動放射によるエネルギー損失を除いたもの)を衝突カーマという.

荷電粒子平衡が成立する場合,衝突カーマは吸収線量と等しくなる.

等価線量
実効線量
線量当量
\displaystyle {\rm{m^{2}\cdot s^{-2}}}

【等価線量】

吸収線量に放射線加重係数を乗じたもの.

【実効線量】

等価線量に組織加重係数を乗じたもの.

【線量当量】

吸収線量に線質係数を乗じたもの.

放射線の種類による生物に対する影響の違いを加味して,同じ数値なら同じ生物学的影響を与えるようにしたもの.

線質係数
\displaystyle {\rm{-}}
\displaystyle {\rm{-}}

放射線水中におけるLETの関数として一義的に決まった無次元の値.

阻止能
\displaystyle {\rm{MeV\cdot m^{-1}, J\cdot m^{-1}}}
\displaystyle {\rm{m\cdot kg\cdot s^{-2}}}

荷電粒子に適用される.

線エネルギー付与(LET)
\displaystyle {\rm{keV\cdot µm^{-1}}}など
\displaystyle {\rm{m\cdot kg\cdot s^{-2}}}

放射線の線質を表す指標.

任意の物質において,放射線の飛跡に沿って単位長さ当たりに局所的に与えられるエネルギー量
放射線の飛跡に沿った単位長さ当たりのエネルギー損失).

荷電粒子に適用される量であるが,光子や中性子のような間接電離放射線に対しても,それらの作る二次荷電粒子
γ線の場合は二次電子,中性子線の場合は反跳陽子)に着目して拡張して用いられる.

高LET放射線α線,重粒子線,中性子

低LET放射線β線,γ線,X線,陽子線

質量阻止能
\displaystyle {\rm{MeV\cdot m^{2}\cdot kg^{-1}, J\cdot m^{2}\cdot kg^{-1}}}
\displaystyle {\rm{m^{4}\cdot s^{-2}}}

阻止能を密度で除したもの.

飛程
\displaystyle {\rm{m, cm, m^{-2}\cdot kg, cm^{-2}\cdot g}}
\displaystyle {\rm{m, m^{-2}\cdot kg}}

荷電粒子に適用される.

照射線量
\displaystyle {\rm{C\cdot kg^{-1}}}
\displaystyle {\rm{kg^{-1}\cdot s\cdot A}}

空気光子(X線,γ線)で照射したときの電離電荷量.

線減弱係数
線エネルギー転移係数
線エネルギー吸収係数
\displaystyle {\rm{m^{-1}}}
\displaystyle {\rm{m^{-1}}}
 
質量減弱係数
質量エネルギー転移係数
質量エネルギー吸収係数
\displaystyle {\rm{m^{2}\cdot kg^{-1}}}
\displaystyle {\rm{m^{2}\cdot kg^{-1}}}
線減弱係数,エネルギー転移係数,線エネルギー吸収係数を密度で除したもの.
吸収断面積
\displaystyle {\rm{m^{2}}}
\displaystyle {\rm{m^{2}}}
 
粒子フルエンス
\displaystyle {\rm{m^{-2}}}
\displaystyle {\rm{m^{-2}}}
単位面積を通過する粒子数.
粒子フルエンス率
\displaystyle {\rm{m^{-2}\cdot s^{-1}}}
\displaystyle {\rm{m^{-2}\cdot s^{-1}}}
単位時間当たりの粒子フルエンス.
エネルギーフルエンス
\displaystyle {\rm{J\cdot m^{-2}}}
\displaystyle {\rm{kg\cdot s^{-2}}}
単位面積を通過する放射線のエネルギー量.
エネルギーフルエンス率
\displaystyle {\rm{J\cdot m^{-2}\cdot s^{-1}}}
\displaystyle {\rm{kg\cdot s^{-3}}}
単位時間当たりのエネルギーフルエンス.
\displaystyle {\rm{Bq\cdot kg^{-1}}}
\displaystyle {\rm{kg^{-1}\cdot s^{-1}}}