放射線取扱主任者試験対策室

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原子の構造

重要度:★★☆

原子の構造(陽子,中性子,電子,原子の大きさなど)や同位体,同中性子体,同重体,核子基底状態励起状態などの用語の定義について押さえてください.


原子構造の概要

原子の構造は,質量のほとんどを占める正の電荷を持つ原子核nucleus)を中心に,その周りを負の電荷を持つ電子が回っているという模型で表されます(図1).

原子核は陽子と中性子からなり,原子核内の陽子数を原子番号(atomic number)としています.独立した原子は電気的に中性で,陽子数に等しい電子が原子核の周りに存在します.陽子及び中性子核子(nucleon)といい,陽子数と中性子数の和を質量数(mass number)といいます.

原子核の大きさは約10-15~10-14 mで,原子の大きさ(=原子核の周りの電子の広がり)は約10-10 mです.

図1. 原子の構造

核種

陽子数と中性子数で決まる原子核の種類を核種(nuclide)といいます.
核種同士の関係を表す用語の定義を表1に示します.
表1. 核種同士の関係を表す用語
核種の関係 定義
(isotope)
陽子数が等しく中性子数が異なる
(電子数が等しいため化学的性質は同じ)
12Cと14C,134Csと137Cs
中性子
(isotone)
中性子数が等しく陽子数が異なる
15Nと16O
同重体
(isobar)
陽子数,中性子数が異なり,質量数(質量)が等しい
14Cと14N,239Uと239Npと239Pu
鏡映核
(mirror nuclei)
同重体の内,陽子数と中性子数とが
互いに逆になっている1対の原子核
7Liと7Be,13Cと13N
(nuclear isomer)
陽子数,中性子数,質量数が等しく,
原子核がエネルギー準位の高い励起状態になっているもの
99mTc,137mBa

【原子の構造に関する暗記項目】

原子番号50以上の安定な原子核では陽子数が中性子数より少ない.


【原子の構造に関する過去問題】

2005年度物理問5,6

2007年度物理問4

2009年度物理問5

2015年度物理問5

2017年度物理問4

2018年度化学問16

2019年度物理問3

2022年度物理問5